メタ認知トレーニング(MCT-J)の紹介
メタ認知トレーニング®︎について紹介します。
メタ認知トレーニング®︎(以下、MCTと記載します)は、2007年にドイツ、ハンブルク大学のS.Moritz教授が開発した統合失調症向けの認知行動療法的アプローチ、心理的介入技法の一つです。
その内容は、妄想を維持する心理学的メカニズムに焦点をあてた講義と楽しみながら学ぶことができるディスカッションからできています。ボリュームも非常にあります。
MCTは8つのmoduleがcycle-Aとcycle-Bの2種類があります。毎週実施しても、すべてのmoduleを終了するには4ヶ月の時間がかかります。このボリュームが、定期的にプログラムを実施することを可能にしています。
妄想を維持する心理学的メカニズムに焦点をあてた講義と楽しみながら学ぶことができるディスカッションからできています。
MCTは8つのmoduleがcycle-Aとcycle-Bの2種類があります。毎週実施しても、すべてのmoduleを終了するには4ヶ月の時間がかかります。
MCTは以下のmoduleで構成されています。各moduleは、幻覚や妄想に関連する認知バイアスをターゲットとしています。
MCTは8module×2cycle+2module=18sessionで構成されています。
Module-1
帰属:原因帰属の偏り
Module-2
結論への飛躍:少ない情報で結論を下してしまう
Module-3
思い込み:自分の判断は間違っていないと思い込む
Module-4
共感すること-Ⅰ:他者の感情を理解する
Module-5
記憶:記憶の誤りと記憶の限界
Module-6
共感すること-Ⅱ:他者の感情を理解する②
Module-7
結論への飛躍-Ⅱ:少ない情報で結論を下してしまう②
module-8
気分:不安や抑うつの影響
【追加Module】
Module-9
自尊心:自分を尊重する気持ち
Module-10
スティグマに対処する
MCTは楽しいだけのプログラムではありません。
幻覚や妄想の改善に有効であることが、確認されたプログラムです。
これまで、日本精神神経学会、日本デイケア学会、 精神障害者リハビリテーション学会、 日本司法精神医学会、 日本作業療法士学会、日本精神保健福祉士学会、日本社会精神医学会、 日本統合失調症学会、日本精神神経薬理学会などの学会で、 MCT-Jの研究報告が行われています。